
0 はじめに
1 これだけは使用してほしいもの
2 使用しても損はないもの
3 その他の英文解釈の参考書
4 その他の英文法の参考書
5 英作文の参考書ほか
はじめに
今回は伊藤和夫の参考書ルートについて書かせていただきます。
伊藤和夫は受験英語参考書のバイブルとされる『英文解釈教室』と『ビジュアル英文解釈』を著した元駿台予備校講師です。
1 これだけは使用してほしいもの
伊藤和夫の参考書の中で、これだけは使用してほしいというのは『ビジュアル英文解釈』です。
伊藤和夫の主著には『英文解釈教室』と『ビジュアル英文解釈』があります。
『英文解釈教室』は英文を左から右へ流れのままに読む方法を具体的に示した画期的な英文解釈の参考書です。
『ビジュアル英文解釈』はその『英文解釈教室』を学習者目線で再構成したものです。
今でも十分使用に耐えます。
実際、私どもの塾では、リーディングのメイン教材として使用して、すべての生徒の英文読解力を爆上がりさせています。
『ビジュアル英文解釈』のオススメ使用法を紹介させていただきます。
『ビジュアル英文解釈』は全2冊、61の英文からなります。
高1レベルから始まり、最後は入試最難関レベルにまで至ります。
英文読解はこれ1冊をマスターし、後は多読すれば、どこの大学でも受かります。
『ビジュアル英文解釈』に限らず、英文解釈の参考書は、英文をコピーした方が使いやすいでしょう。
まずは英文をノーヒントで読んで下さい。
和訳を紙に書く必要はないと思います。
私どもの塾では口頭で訳させています。
英文を左から右へ流れのままに読むための練習をさせるのが『ビジュアル英文解釈』の目的です。
英文を左から右へ流れのままに読み進めながら、意味が理解できるか試して下さい。
その後、解説を熟読して下さい。
焦点、研究、Home Roomはすべて大事ですので、熟読して、大事なことはコピーした英文に書き込んでいって下さい。
そして、英文を伊藤和夫の指示通りに何度か読んで下さい。
あと、Reviewは『ビジュアル英文解釈』のキモですので、必ず取り組んで下さい。
既出の重要構文を含む英文を復習できます。
重要なものほど何度もしつこく出てきます。

2 使用しても損はないもの
『ビジュアル英文解釈』のメソッドを基礎からしっかり理解したいという方は『英文法のナビゲーター』も使用して下さい。
『英文法のナビゲーター』は英文法問題とその解説からなります。
問題数は多くありません。
文法問題に多くあたるための参考書ではありません。
その分、解説がしっかりとしていますので、解説を熟読して下さい。
解説をしっかりと理解するため、ノートを作りながら読んでもよいでしょう。
実戦的な英文法、英文解釈のための英文法を学ぶことができます。
『ビジュアル英文解釈』に取り組む前に取り組むのがよいでしょう。
『ビジュアル英文解釈』の理解が深まります。

3 その他の英文解釈の参考書
大学受験だけを考えた場合、多くの方は『ビジュアル英文解釈』だけか『ビジュアル英文解釈』+『英文法のナビゲーター』で十分でしょう。
ただ、志望校対策の参考書を探している、大学受験の英語をさらに極めたい、あるいは大人の学び直しで英語力を高めたいという方もいると思います。
そこで、後のものを、現在入手可能なものに限り、簡単に紹介させていただきます。
まず、英文解釈の参考書です。
『英文解釈教室』は、『ビジュアル英文解釈』を終えた後、英文解釈をさらに極めたい人向けの参考書です。
『ビジュアル英文解釈』で学んだことをより体系的に理解できます。
また、『英文解釈教室』には入門編と基礎編もあります。
入門編が高1基礎レベルで、入門編→<基礎編=ビジュアルI>→ビジュアルII→正編の順に難しくなっていきます。
入門編と基礎編は、正編や『ビジュアル英文解釈』に取り組む準備が必要であれば、使用して下さい。
『ルールとパターンの英文解釈』は『ビジュアル英文解釈』のもととなった参考書です。
『英文解釈教室』と『ビジュアル英文解釈』を足して2で割った感じの参考書です。
『ビジュアル英文解釈』を終え、『英文解釈教室』に取り組む前に、短期間で取り組むのがよいでしょう。
英文量は少なめで、解説が詳しくなされています。
『英語長文読解教室』と『テーマ別英文読解教室』は、『ビジュアル英文解釈』を終え、読み応えのある英文をたくさん読みたい人向けの参考書です。
伊藤和夫の英文のチョイスのセンスが感じられます。
最難関国立対策、特に『テーマ別英文読解教室』は東大の最終問題の対策として最適です。
英文和訳の練習が必要な方は『英文和訳演習』を使用して下さい。
駿台模試がもととなっていますので、詳細な採点基準が示されているのが最良の特徴です。
入門編・基礎編・中級編・上級編の4冊があります。
中級編・上級編は難関もしくは最難関国公立向けです。
入門編・基礎編は、中級編・上級編に取り組む準備が必要なら、使用して下さい。
『英語要旨大意問題演習』は東大の要約問題の対策となります。
東大の要約問題対策の問題集としては難しい部類に入ると思います。

4 その他の英文法の参考書
次に、英文法の参考書です。
ビギナー向けに薄手の『英文法の集中治療室』、『英熟語の集中治療室』があります。
『新・英文法頻出問題演習』はタイトル通り英文法問題集です。
全2冊で、パート1が文法篇、パート2が熟語編です。
難易度は標準的です。
また、『英文法のナビゲーター』を高度にした感じの『英文法教室』があります。
『英文法のナビゲーター』が『ビジュアル英文解釈』の文法版、『英文法教室』が『英文解釈教室』の文法版と言えばよいでしょうか。
英文法を極めたい人は『英文法教室』にチャレンジしてみて下さい。

5 英作文の参考書ほか
英作文の参考書に、『新・英文法頻出問題演習』とともに三種の神器と呼ばれた『英語構文詳解』と『新・基本英文700選』があります。
どちらも、現在では、英作文のためではなく、構文知識の整理と理解のために使うとよいでしょう。
最後に、伊藤和夫の考え方を知りたければ、『予備校の英語』を読んで下さい。
日本人の英語学習に関する、歴史的な名著です。
学生だけでなく幅広く読んでほしい著作です。
