0 はじめに
1 算数
2 国語
3 理科
4 社会
5 テストの準備と復習
はじめに
塾からテキストの使用法や家庭学習の進め方に関して具体的な指導がないと感じられている保護者もいると思います。
そこで、私どもの塾で推奨しているテキストの使用法と家庭学習の進め方を特別に公開させていただきます。
データによれば、学習量は必ずしも成績と直結していません。
したがって、要領よく家庭学習を進めた方がよいということになります。
その方が長時間の勉強で保護者も子どもも精神的に疲弊することもなくなるでしょう。
この記事をぜひ最後までお読みいただき、要領よく家庭学習を進めるヒントを学んで下さい。
1 算数
まず算数です。
4・5年生は予習シリーズの例題を理解することを最優先して下さい。
理解するというのは解き方を覚えることではありません。
中学受験の算数の解法は200以上あります。
そのすべてを覚えることは不可能です。
理解するというのは解法のポイントがわかるということです。
解法のポイントがわかっているかどうかを確かめるためには、解法を一言で説明させるのがよいのですが、経験上、なかなか難しいと思います。
類題をスラスラ解けているようなら、解法のポイントがわかっています。
類題を解くのに苦労しているようであれば、急がば回れで、まずは、授業動画などを利用して、解法のポイントを理解させて下さい。
例題を理解できたら、問題演習に進みましょう。
算数の問題演習の進め方の一例を挙げておきます。
まずは子どもが1人で取り組む場合です。
1 問題を解いて下さい。5分ほど考えて、何も思い浮かばない場合は、次の問題に進んで下さい。
2 ◯つけをし、解けなかった問題の解答・解説を読んで下さい。
3 解けなかった問題を解答・解説を見ずに解き直して下さい。
4 それでも解けない場合は、2→3を繰り返して下さい。
保護者が勉強をみる場合は次のようにするとよいでしょう。
1 問題を解かせて下さい。5分ほど考えて、何も思い浮かばない場合は、次の問題に進んで下さい。
2 ◯つけをして下さい。
3 解けなかった問題は、ヒントを出して、解き直させて下さい。ヒントは小出しにして、なるべく自力で解かせて下さい。なお、ヒントとは解法のポイントのことです。
最後に、テキストの進め方について説明します。
算数の偏差値が55未満の場合は、予習シリーズの基本問題、演習問題集の反復問題(基本)とトレーニングを優先して下さい。
トレーニングはよくできていますので、必ず取り組んで下さい。
算数の偏差値が55以上の場合は、予習シリーズの基本問題、演習問題集の反復問題(基本)とトレーニングを終えた後、予習リーズの練習問題、演習問題集の反復問題(練習)と実戦演習まで取り組んで下さい。
開成・桜蔭などの最難関校を目指す場合は、最難関問題集にも取り組みましょう。
最難関問題集は解法暗記のための教材ではありません。
解けなくてもかまいません。
時間も気にしなくてかまいません。
試行錯誤した経験が算数の力をつけてくれます。
6年生のテキストは問題のみが掲載されています。
問題ごとに難易度が示されていますので、易しいものから取り組んで下さい。
入試は思っている以上に基本的な問題で合否が決まるものです。
どの学年でも、歯が立たないレベルの問題に無理に取り組む必要はありません。
基本的な問題を確実に解けるようになることを優先して下さい。
2 国語
次に国語です。
とにかく『漢字とことば』に最優先で取り組んで下さい。
塾のテストでも、入試でも、漢字とことばの問題は満点を目指して下さい。
予習シリーズの「ことばの学習」は、入試の傾向を考えると、重要性は低いと思います。
たとえば、「ことばの学習」で学ぶ文法はあまり入試に出ません。
また、文法問題は、それほど勉強しなくても、ある程度は点数が取れます。
逆に、かなり時間をかけて勉強しても、高得点を取るのが難しいのです。
予習シリーズの「ことばの学習」には時間をかけすぎない方がよいでしょう。
読解問題は、家庭で学習すると効率が悪いので、塾に任せましょう。
読解問題が苦手な場合は、時間は短くてもかまいませんので、毎日音読をして下さい。
予習シリーズ、演習問題集などに掲載されている文章の音読です。
できれば、わからない言葉の意味は保護者が教えてあげた方がよいでしょう。
入試では、一定の時間で8000字程度の文章を読み切り、文章の言いたいことを理解するということが何よりも大事です。
そのために、毎日音読をして、入試で出題されるレベルの文章を読み慣れることを優先して下さい。
欲ばって挫折するより、細々と継続することの方が大事です。
なお、最難関問題集は、記述練習用ですので、ヘビーな記述問題が出題される学校の志望順位が高い場合のみ、使用して下さい。
答案は国語の講師に添削してもらった方がよいでしょう。
3 理科
理科です。
理科は問題量をこなすより、原理を理解することを優先して下さい。
理科の予習シリーズの解説は過不足なく、よくまとまっています。
しかし、予習シリーズを読んで、その内容をすべて理解することはなかなか難しいと思います。
よって、演習問題集の「まとめてみよう!」がよくできていますので、まずはその内容を理解するようにしましょう。
予習シリーズが難しい場合は、学習マンガや参考書を利用してもよいでしょう。
学習マンガはドラえもんの学習マンガ、参考書は『受験理科の裏ワザテクニック』がオススメです。
学習内容が理解できたら、問題演習に移って下さい。
理科が苦手な場合は、週テストまでに、予習シリーズの要点チェック、演習問題集の基本問題だけにでも取り組んで下さい。
理科に苦手意識がない場合は、週テストまでに、演習問題集の練習問題まで、かなり得意な場合は、週テストまでに、発展問題までチャレンジして下さい。
4 社会
社会です。
予習シリーズの音読や読み聞かせをした方がよいのですが、難しい場合も多いと思います。
その場合は、塾の授業に任せましょう。
また、演習問題集の「まとめてみよう!」がよくできていますので、うまく活用しましょう。
穴埋めとなっていますので、穴をチェックペンで埋め、チェックシートを使って暗記を行いましょう。
その後、週テストまでに、予習シリーズの要点チェック、演習問題集の練習問題・発展問題・記述問題にチャレンジ!を使って、知識を定着させましょう。
社会の記述問題は多くの学校で出題されますので、「記述問題にチャレンジ!」まで取り組みましょう。
社会の記述問題は半ば知識問題です。
書くことが何も浮かばない場合は、解答を写して、こう書けばよいのだとわかるだけでもかまいません。
5 テストの準備と復習
最後に、テストの準備と復習について触れておきます。
週テスト対策は、以上に加え、テスト前に苦手教科の復習も行いましょう。
組分けテスト対策は、何をすればよいのかわからないという相談をよく受けますが、週テスト問題集を活用するのが効率的です。
テストの復習はもちろんすべきです。
ただ、間違った問題すべてに取り組むのは効率が悪いでしょう。
テストには普通正答率を示す表が付属しています。
たとえば、現在偏差値50で、まずは偏差値55を目指したいという場合、正答率50%以上の問題のみ復習すればよいのです。
正答率50%以上の問題をすべて解けば、偏差値は55に達します。
復習の仕方は普段の家庭学習と同様でかまいません。